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長期優良住宅は、長期間にわたり持続可能な住宅性能をもつ住宅です。長期優良住宅にはさまざまな優遇制度があるため、住宅を立てる際には考慮したいところです。一方で、建築コストや認定基準への適合に関する課題も存在します。この記事では、長期優良住宅のメリット・デメリットについて詳しく解説しているので参考にしてください。
長期優良住宅の認定制度はなぜ始まったのか
長期優良住宅とは、一定の基準をクリアし、長く住み続けられると国に認定された住宅のことです。この制度は、建設して、必要なくなったら壊して建て直すという従来型の住宅から、長期的に使い続けられる住宅への転換を目指すために「長期優良住宅の促進に関する法律」が制定されスタートしました。
長期優良住宅と認定されるための具体的な基準として、断熱性能などの省エネルギー性や、耐震性などの基準を満たすことを求められますが、認定された住宅には国から優遇措置が行われます。たとえば、住宅ローンの金利優遇や所得税・住民税の減税などです。
長期優良住宅は、建築して終わりの制度ではありません。長期間にわたり優遇措置を受けるためには、認定された計画に従って確実にメンテナンスし、建物を長期にわたり維持することが必要です。
適切にメンテナンスされない住宅は制度の対象外となることもあり、優遇措置が受けられないばかりか、お金の返還を求められる場合もあるので注意しましょう。
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅には、魅力的なメリットが数多くあります。まず、住宅ローンの優遇措置が挙げられます。たとえば、最長35年の固定金利住宅ローンであるフラット35では、長期優良住宅を購入する場合、10年間の金利が0.25%引き下げられるのがメリットです。
さらに、フラット50と呼ばれる、長期優良住宅限定の最長50年金利固定ローンも利用できるため、月々の返済負担を抑え、家計不安が少ない状態で家を購入できることが魅力です。
また、特筆すべき点として、売却時に住宅ローン付きで売却できることが挙げられます。ローンの返済中でも買主に債務を引き継いでもらうため、住宅を手放した後もローンだけが残ることがなく、家計リスクが少ない点が大きな利点です。
さらに、税の優遇措置も長期優良住宅の魅力です。住宅ローン減税の控除限度額が、通常の一般住宅よりも1,000万円高い5,000万円に設定されるとともに、年末時点のローンの残高、または住宅の取得対価を比較し、少ない方の1%が所得税と住民税から控除されます。10年間で最大500万円の控除を受けられるため、経済的な面でも非常にお得です。
加えて、地震保険料の割引も期待できます。長期優良住宅の免震・耐震性能に応じて、地震保険料が割引されるため、地震への安心感と節約効果を両立させられます。
中小工務店に依頼して建てた場合には、最大110万円の補助金を受け取れることも長期優良住宅の利点のひとつです。地域型グリーン化事業の採択を受けたグループに所属している必要がありますが、補助金を受けられるのでさらに資金計画が楽になります。
以上が、長期優良住宅のメリットです。しっかりと把握し、うまく活用することをおすすめします。
長期優良住宅のデメリット
長期優良住宅には多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
まず、一般的な住宅に比べると、時間と手数料がかかることが挙げられます。長期優良住宅に認定されるためには、住宅性能評価機関や行政による審査が必要であり、審査には数週間かかる場合もあります。さらに、必要な書類作成なども含めると、相当な時間を要してしまいます。住宅をすぐに欲しい方にはデメリットです。
また、行政への申請と住宅性能評価機関への依頼には一定の費用が必要です。10万円ほどの手数料がかかるため、それなりの負担になることも考慮すべき点です。申請はハウスメーカーなどに代行してもらうことも可能ですが、代行手数料としてさらに10万円以上の費用がかかることもあります。代行する場合は、追加の出費が必要であることを把握し、検討したうえで依頼しましょう。
さらに、認定後も、長期優良住宅の継続的なメンテナンスが必要であることも考慮する必要があります。認定された維持保全計画に基づいて定期的なメンテナンスを行わなければなりません。さらに、メンテナンスの記録もしっかりと残す必要があります。
もしメンテナンスが適切に行われていない場合は、認定を取り消される可能性もあります。認定が取り消された場合は、住宅に対する税金優遇措置などが失われ、返還を求められるケースもあるため、必ず計画的なメンテナンスを行いましょう。
また、増築やリフォームを行う場合には、行政による計画変更の認定が必要で、長期優良住宅の要件に合致するかどうかを確認する必要があります。
まとめ
長期優良住宅には、多くの魅力的なメリットが存在します。住宅ローンの優遇措置、売却時のローン引き継ぎ、税の優遇措置や地震保険料の割引も受けられ、経済的な面で大変魅力的です。さらに、特定の中小工務店による建設で補助金を受け取れることも可能であるため、積極的に利用しましょう。
一方で、時間と手数料がかかること、定期的なメンテナンスの必要性や、増築やリフォームの際にも行政の認定が必要なことがデメリットです。長期優良住宅は、持続可能な住環境のために国が推奨している選択肢です。メリットとデメリットをよく理解し、自身の予算に合った選択をすることをおすすめします。